
骨粗鬆症に関して
増田内科クリニックの骨粗鬆症に関して
About Osteoporosis
増田内科クリニックの骨粗鬆症に関して
増田内科クリニックの診療案内
骨粗鬆症に関して
骨粗しょう症は、徐々に骨がもろくなっていく病気です。骨折しやすくなりますが、初期に自覚症状が出ることはありません。知らずに転倒して、大腿骨頚部骨折で寝たきりになる方が増えています。また背骨が体の重みで徐々に潰れると圧迫骨折が起こり、背中が曲がっていってしまいます。腰痛などの原因にもなります。
早めに骨量の測定をし、早期発見することが大切です。
当院では超音波による骨密度を測定することができます。


骨粗鬆症になりやすい方
以下のようなことに該当する方は骨粗鬆症になりやすいと言われています。
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最近身長が3cm以上縮んだ
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腰や背中が曲がってきた
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両親が骨粗鬆症、もしくは太ももの骨を骨折した事がある
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閉経した女性
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体型が痩せ型
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喫煙者である、もしくは喫煙をしていた
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ほぼ毎日飲酒をする
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食事でカルシウムを意識していない、乳製品をとらない
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太陽の光を浴びるのが一日10分以下である
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日常的に家事などで体を動かす機会がない
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ステロイドを三ヶ月以上内服していた
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関節リウマチと言われたことがある
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糖尿病や慢性腎臓病などの生活習慣病の方
60歳以上では5人に一人が骨粗鬆症と言われています。女性の場合、エストロゲンという女性ホルモンが減少し始める50歳前後に骨量が低下し始める為、一度チェックしておくことが重要です。閉経後は1年に1回程度測定を行いましょう。
骨粗しょう症治療薬のご案内
骨粗しょう症の治療は、骨折を防ぐことが目的です。最近では、さまざまな薬剤が登場し、患者さんの状態に合わせた治療が可能になっています。ここでは、主な治療薬についてご説明します。
デノスマブ(プラリア®)
デノスマブは、新しいタイプの骨吸収抑制薬で、破骨細胞の働きを抑えることで骨を守ります。半年に1回の皮下注射で済むため、飲み忘れの心配がありません。関節リウマチの患者さんには、3か月に1回の投与も可能です。
ただし、副作用として 低カルシウム血症 や 顎骨壊死 があります。そのため、デノスマブを使用する場合は、カルシウムとビタミンDの補給が必須となります。特に、腎機能に問題がある方は、血中カルシウム濃度の管理が重要です。
また、治療を中止すると、骨折のリスクが上がることが報告されています。長期間使用できる薬ですが、やめる場合は、ビスホスホネートなどの他の骨粗しょう症治療薬に切り替えることが推奨されます。
テリパラチド(フォルテオ®・テリボン®)
これまでの薬は主に「骨の吸収を抑える」ものでしたが、テリパラチドは「骨を作る」力を高める薬です。骨折リスクの高い方や、すでに骨折を繰り返している方に適した治療法とされています。
テリパラチドには、毎日自己注射するタイプと、週1回または週2回の注射タイプがあります。週1回のものは病院での注射、週2回のものは自己注射が可能です。費用は高めですが、バイオシミラー(後発医薬品)が登場し、やや負担が軽減されました。
この薬は、血中カルシウム濃度が上がることがあるため、定期的な血液検査が必要です。また、安全性の観点から 使用期間は2年間まで と決められています。治療終了後は、ビスホスホネートやデノスマブに切り替えます。
ロモソズマブ(イベニティ®)
ロモソズマブは、骨の形成を促しつつ、骨の吸収も抑えるという 二重の作用 を持つ新しい治療薬です。毎月1回、2本の注射を受け、治療期間は12か月です。
テリパラチドと同様に「骨折リスクが高い方」に使用されますが、注射の頻度が少ないため、継続しやすい点が特徴です。骨密度を大幅に上昇させる効果が期待できます。
ただし、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管系の副作用が報告されており、 動脈硬化や血栓リスクが高い方には適していません。また、カルシウム濃度の管理が必要なため、定期的な血液検査を行います。
どの治療を選ぶべきか?
治療薬の選択は、患者さんの 骨折リスク によって変わります。
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リスクが低い場合 → 比較的軽めの薬(エルデカルシトールやSERM)を使用
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リスクが高い場合 → ビスホスホネートやデノスマブを選択
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すでに骨折がある場合 → より強力なテリパラチドやロモソズマブを検討
治療の効果は、 骨密度測定(DXA) や 骨代謝マーカー で確認しながら進めていきます。
骨粗しょう症治療の大切さ
骨粗しょう症は 自覚症状がないため、治療の優先度が低くなりがちですが、骨折すると 生活の質が大きく低下 します。特に 大腿骨の骨折 は寝たきりにつながる可能性が高いため、早めの対策が重要です。
近年の研究では、骨を健康に保つことが寿命にも関わる ことが分かってきています。骨粗しょう症の治療は、単なる「骨密度を上げる」ものではなく、健康で長生きするための重要なケア なのです。健診で骨密度が低いと言われた方や、骨の健康に不安のある方は、ぜひ一度ご相談ください。適切な治療を選び、健康な未来を守りましょう。