腎臓内科
増田内科クリニックの腎臓内科
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腎臓内科
腎臓病の症状の初期には自覚症状があまりありません。あるレベルまで悪くなった腎臓は慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)と言われ、ほとんど治ることはありません。放置することで更に進行するかもしれません。一度悪くなってしまった腎臓を良くする方法は基本的にありません。腎不全に陥ってしまうと体に溜まった老廃物や余計な塩分、水分を尿として排出することができなくなり、週2〜3回、一回あたり4〜5時間の血液透析を受けないと生命を維持できなくなってしまいます。取り返しのつかない状態になってしまうかもしれませんので、早期の検査をおすすめいたします。
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腎臓って何をする臓器?
腎臓とは背中側に左右一つずつある臓器で、からだのなかの老廃物や毒素、余分な水分やミネラルを調節しながら尿として排泄し、血液をメンテナンスする重要な臓器です。その役割は大きく分けて4つあります。
腎臓の役割
尿を作り、排泄する :
尿を作るために最初に腎臓で血液から濾過される尿(原尿)の量は180リットルにも及ぶと言われています。それだけたくさんの量の血液を濾過するため、腎臓はたくさんの血管でできています。腎臓は血液中の成分を監視し、そのなかから必要なもの、不足しているものを90%以上再度血液に戻し、毒素、老廃物などはそのまま尿として排泄されます。これらの機能が失われると、必要なものが排泄されたり、不必要な老廃物が蓄積し、尿毒症などさまざまな合併症を引き起こします。
血圧の管理をする :
血圧は血液の中の水分量や塩分量で決定されます。前述の通り、腎臓は尿を作る過程で水分や塩分を尿として排泄する量を調節し、血圧をコントロールしています。同時に血圧を維持するためのホルモンを分泌し、血圧が下がってしまったときの血圧の維持をおこなっています。これらの機能の低下により高血圧を引き起こすことがあります。
骨をつくる :
カルシウムは御存知の通り、骨の成分ですが腎臓はカルシウムを吸収するために必要な活性型ビタミンDを産生しています。腎臓が悪くなるとカルシウムが吸収されにくく、リンが尿中に排泄されにくくなります。カルシウムとリンの関係が崩れることにより、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、骨からカルシウムが溶けだしていっていしまいます。骨粗鬆症となり骨はもろくなりさらにリンの濃度も上昇します。リンが多く血液中にあるとカルシウムと結びつき血管に石灰化が生じます。これにより動脈硬化が進行すると、もろく硬い血管となってしまいます。進行した慢性腎臓病の方ではこの石灰化がさまざまな合併症を引き起こします。
血液をつくるホルモンを産生する :
酸素を運ぶ成分である赤血球を作るためのホルモン、エリスロポエチンを腎臓で産生しています。赤血球自体は骨のなかで作られますが、このホルモンがないと鉄分があっても作れなくなってしまい、進行した腎不全になると慢性的な貧血になってしまいます。これを腎性貧血といい、定期的にホルモンの補充注射を行う必要があります。
腎臓の病気が疑われる症状
手、足や顔がむくむ :
前述の通り腎臓の病気によって尿からたんぱくが失われてしまう病気をネフローゼ症候群と言います。原因は複数あり、糖尿病もその一つですが原因をつきとめるために精密検査が必要です。
夜間よくトイレに起きる :
機能の低下した腎臓は、濃縮した尿を作ることができず、日中に余計な塩分などを排泄しきれないためや夜間に濃縮した尿を作ることができないために薄い尿を作ります。寝る前にあまり水分をとっていなくても、夜間何度もトイレに起きるのは腎臓病のサインかもしれません。
また、腎臓病でなくても前立腺肥大や過活動膀胱などの泌尿器系のトラブルかもしれません。超音波で排尿後の膀胱に残った尿の量を測定することでかんたんに診断することができます。
尿が泡立つ :
正常の尿でもみられますが、いつまでもビールのような泡が消えない場合は尿蛋白、尿糖の可能性があり、早めの尿検査をおすすめします。
健診での血尿、たんぱく尿 :
腎炎や尿管結石、膀胱炎、腎盂腎炎、尿管結石、悪性腫瘍の可能性があります。はやめの再検査をおすすめします。泌尿器疾患の場合は、ご紹介いたします。
高血圧を指摘された、血圧の薬を飲んでいるけれどさがらない
当院は循環器専門医、腎臓専門医が在籍しており、高血圧の専門的検査、治療が得意です。若くして(若年性)に発症した場合はホルモン異常による二次性高血圧の可能性があります。採血の検査で異常を認めた場合は更に精密検査が必要です。
高血圧は日本人には非常に多い病気で40~74歳の人のうち男性は約6割、女性は約4割が高血圧と言われています。
高血圧は放っておくと心不全や狭心症、心筋梗塞といった心臓や血管の病気や脳出血、脳梗塞の原因となります。理想血圧は120/80以下、正常血圧130/85以下が目安となります。これ以上高い血圧が持続している方は収縮期血圧(上の血圧)が180もしくは拡張期血圧(下の血圧)110以上の方は重症の高血圧となり、早期治療をおすすめします。
日本人は世界で一番塩分を取る民族と言われており、平均で1日11~12g取っているとされています。日本高血圧学会の定めた目標は1日6g未満(高血圧治療ガイドライン2009年版)ですが、それが無理でも男性8g未満、女性7g未満にすることが理想です。血圧の管理は継続して行う必要があり、治療を行っている方はしっかりとお薬飲むことも大切です。血圧が十分に下がらないうちに薬をやめてしまうとリバウンドしたり、もとに戻ってしまい意味のない治療になってしまいます。一度薬を飲むと、一生やめられないと思っている方が多くいますが、体重管理や運動習慣など改善されれば、徐々に血圧が下がり減らしたり、やめたりすることもできますので目標を持って治療を継続しましょう。
また、高血圧のくすりを何種類も飲んでいるのに下がらない方では、睡眠時無呼吸症候群の合併が原因のことがあります。大きないびきや日中の眠気などお心あたりのある方は、早期の検査をおすすめします。睡眠時無呼吸症候群のページもあわせてご覧ください。